2015/03/12

香港映画で老人介護を考える~映画「桃さんのしあわせ」

介護問題に頭を悩ませているのは日本だけではありません。

香港にも「老人介護」をテーマにした映画があります。
2012年に公開された桃さんのしあわせ/桃姐】はとても良い映画でした。
「老人介護」という重たいテーマを軽快に、すっきりと、でも考えさせられるように描かれています。

【あらすじ】 
香港の裕福な家庭に、少女のころから60年間もメイドとして仕えてきた桃(タオ)さん。
しかし今では家族の多くは海外に移住してしまい、香港の家には映画プロデューサーとして活躍する長男のロジャーひとりだけ。それでも一生懸命に家事をこなし、ロジャーのためにおいしくて栄養のある料理を作ってあげる桃さん。
ところがロジャーにとってそれは、子どもの頃から繰り返されてきたごく当たり前の日常でしかなかった。そんなある日、その桃さんが脳卒中で倒れてしま う。幸い大事には至らなかったが、後遺症の残る桃さんは、迷惑は掛けられないと自ら暇を願い出る。この時初めて桃さんが自分にとってどれだけ大切な存在 だったかに気づいたロジャー。彼は桃さんのために老人ホームを世話し、忙しくてもできるだけ2人の時間を作って献身的に尽くしていく。
allcinemaより引用


【桃さんのしあわせ】は家族ではなく、メイドさんの介護という変わったテーマ。
日本人には「メイドさん」は裕福な家にしか縁がないものですが、香港では共働き家庭が多いため、一般家庭にメイドさんが居るのは珍しいことではありません。
ただ、そうしたメイドさんの大半はフィリピンなどの東南アジアからの出稼ぎの人が多いので、桃さんのように香港人でずっと使えてきたというメイドさんがいる家は、今の香港には本当に由緒ある裕福な家庭しかいないと思います。

桃さんが倒れるまでは彼女が居て当たり前、ご飯があって当たり前。そんなロジャーでしたが、桃さんが倒れて老人ホームに入ってから、彼女の存在の大きさに気付かされるのです。
考えてみたら、もう一人のお母さんのような存在ですもんね。
素直じゃない桃さんとロジャーの会話のやりとりも、本当の親子のようで軽快です。
そんなやり取りの間で、香港の老人介護の現実などもチラホラ垣間見えます。
最後まで決して重くなく、でも桃さんは本当に幸せだったのか・・・いろいろ考えさせられました。

映画の中で、ロジャー演じるアンディ・ラウは映画プロデューサー役ですが、彼の仕事仲間としてサモ・ハン・キンポーやツイ・ハーク監督、レイモンド・チョウやロー・ランと言った監督、女優、俳優がカメオ出演しています。

香港映画と言えば、カンフー、コメディ、アクション、最近はサスペンスが多いですが、こうした人間ドラマも良い作品が多いです。

この映画のメガフォンを撮ったのアン・ホイ監督は私が好きな映画監督の一人ですが、彼の作品で【女人、四十。】と いう映画がありますが、こちらも「老人介護」をテーマにした映画で、1995年の香港電影金像奨(香港のアカデミー賞)で最優秀監督賞、最優秀作品賞を受 賞しました。共働きのバッリバリキャリアウーマンの女性が、ある日突然亡くなった姑の死をきっかけに、厳格でへそ曲がりな舅が痴呆症になり、世話をしてい くという人間ドラマ。
この作品も非常に良い作品です。
  
【桃さんのしあわせ】
主演:ディニー・イップ、アンディ・ラウ他
2012年香港電影金像奨受賞作品



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